東淀川区上新庄駅近くの放課後エジソン児童発達支援・放課後等デイサービス代表舩曳です。
昨日の続きで不登校支援のコツ(解決方法の一助になるもの)をお伝えします。
1.スモールステップ化する
一つはお子様は「0か100か」と考えがちです。それは「行かないか行くか」の二択だからです。
この場合は、順算型と逆算型とがあるのですが、両方でもひとまずゴールは「学校のチャイムを鳴らす」にしておきます。
順算型の場合は、
①朝起きる
②学校に行く服装に着替える
③玄関まで行く
④玄関を開けて外まで行く。
⑤玄関を出て、エレベーターを降りる。
⑥建物のエントランスまでタッチ。
⑦建物のエントランスを出る。
⑧1つ目の電信柱まで行く。
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最後は学校のチャイムを鳴らす。
と小刻みにゴールをスモールステップに刻んでやる方法です。
逆算型の場合は、保護者付き添いで
①学校のチャイムを鳴らす
②学校の1つ手前の電信柱まで一緒で、そこから先は1人で行って、チャイムを鳴らす。
③学校の2つ手前の電信柱まで一緒で、そこから先は1人で~~以下同文
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最後は朝起きる
と小刻みにスモールステップにして刻んでやる方法です。
0か100か、学校に行かないか行くかは保護者にとってもしんどいことだと思われますので、対立構造にならないよう、ある程度お互いが妥協しやすいところを探るのがスモールステップという方法です。
2.淡々と対応する
学校に行かないとなったら、感情をより高めて、「学校行きなさい!」と言いたくなるものです。
ですが、ここで感情的になると、お子様も「さらに高い感情を出さないと行けなくなります」。
その後さらにそのことを学習していくので、お互いにヒートアップするしか、その後出来ることがなくなっていきます。しかもそのヒートアップで保護者が疲れるばかりか、お子様も疲弊してしまい、「気持ち」+「身体の疲れ」、二重の意味でしんどくなり、「やっぱり今日は学校行きたくない。しんどい」と言われるわけです。
それを防ぐためには、淡々と、
「はい服着ようね」といくら罵られたり、声を荒げられようが、「壊れたレコードのように同じ言葉を同じトーンで繰り返します」。
これはブロークンレコード法というれっきとしたテクニックです。
その際も後述する具体的な行動、例えば
・「はい、朝だから起きようね」
・「はい、朝ご飯食べようね」
・「はい、服を着ようね」
・「はい、玄関まで行こうね」
を示してあげるのが親切だと思います。
可能なら、それを象徴するもの、例えば家の玄関なら家の玄関の写真を撮り、それをプリントアウトして見せるという視覚支援もあるとなおよいです。
3.ゴールは具体的な行動にする
具体的なゴールとは
・誰が見ても同じ
・測定が可能
・客観的なもの
これらが全てを兼ね備えたものが、具体的な行動です。
「お母さんを困らせないで!」は保護者様の前後の気持ちによって、変わることでしょう。
パートナーさんとの意見のズレで怒っている場合は、すぐに困ると思いますし、「学校なんていつか行けたらいいし、今日はそのお試しの第一ステップだし」くらいの楽な気持ちで居れば、「困るまでには少し時間的余裕がある」でしょう。
そのため、誰が見ても同じ結果になり、測定が可能で、客観的なものを指標にしないと、保護者も感情のままに振る舞ってしまい、お子様もさらにそれに合わせて感情的に振る舞ってしまう可能性があります。
一応不登校支援もしていますが、不登校のお子様ばかり集めることが目標ではなりません。
上記は一般的には「病院」というお金がかかる場所でしていたアドバイスなので、「保護者負担が発生していたため、なんとかやろうと思ってくれたもの」です。
長期化している、病院にお金を払ってまで行きたくはない、などの場合は、「そうは言っても結局放デイでも同じこと(行きたくないと言えばそれがまかり通ってしまう)が起こりやすい」です。
そのため、保護者にとって腑に落ちるまで専門家に相談し続けることが、不登校問題解決には必要と言えるでしょう。